2010年11月28日

事業仕分けについて(青年海外協力隊)

事業仕分けがまた行われているようです。

こっちにいるとあまり分からないのですが、きっと蓮舫さんがいろいろパフォーマンスしている事と思います。

金銭面や合理性で動く事が多い日本のような気がしますので、国際貢献が単なる無駄遣い、そして今活動している人が失望してしまうような状況を作らないように考えてほしいとも思います。
たった数万円の積立金がほしくて協力隊に参加してる人はたぶんいないと思います。

純粋に国際貢献の気付きやきっかけとなっているとも思うので、そういった心理的・感情的なプラス面に対してのフォローアップを政府に期待します。
こういうボランティアの制度が議論されて、より良くなっていく事は素晴らしい事だと思います。

テレビやマスコミでどういう風に報道されているのか分かりませんが、政府の事業仕分け評価コメントの抜粋を載せてみます。
せっかく私もボランティアに参加していますので、私の身近な人とかが少しでもこの事について考えてもらえたら幸いに思います。

★★★★★

■JOCA(青年海外協力協会)の不明瞭な関与、現地ニーズとのミスマッチ、甘い派遣要件、間接経費の重い負担等を総合的に考えれば、この仕組み自体が回復不能な制度疲労をおこしていると思われる。むしろ、ボランティアを行うNPO、NGOを側面支援する方式に切りかえるべき。数より質の問題である。JOCAとの契約は全面的に公開し、原則廃止。満足度と実施成果の無作為抽出評価を実施すべき。
※JOCA(青年海外協力協会)はJICA(国際協力機構)とは別の組織です。
JICA(国際協力機構)の中のJOCV(青年海外協力隊)というプロジェクトをJOCA(青年海外協力協会)がサポートしているという形です。

■青年海外協力隊の制度は抜本的に見直し。プロジェクトに対して、専門性のある人を派遣する。派遣数を減らし、個々の方のコストを引き上げ、質的向上を図る。

■「ア 派遣規模・体制の見直し」については、隊員の数ではなく、質の向上を図る。当面、数を20%減らす。
「イ JOCAとの契約の見直し」については、細分化して一般競争入札(実質的な)。
「ウ 国内積立金の縮減」については、慰労金は見直すべき。その他、ボランティア調整員の待遇を見直し、年収ベース(手当て込み)で削減。

■JICAの意識改革が必要。JICA幹部の人事刷新。

■JICAおよび外務省には、ガバナンス機能の徹底が完全に不足している。JICAのガバナンスに抜本的改革の余地があるため、ミスマッチが興っていることは明白。日本のプレゼンスを高めるガバナンスが不可欠。組織のガバナンスについて、抜本的な改革が行われれば、前回の仕分けて指摘した事項の改善は見込めない。特に現地ニーズとのミスマッチが起こることは、業務上致命的な出来事となるので、調整員のサボタージュは許されない。全体的には給与削減と連動させて、人材増を行うこと。

■国内訓練の量・質・人材体制の抜本的見直しによる経費削減。派遣先における調整員の質・業務体制の抜本的見直しによるマッチングの問題解決。以上2つを含むJOCAとに不健全なもたれあい構図の解消。

■JOCAへの委託の必要性が不明。JICAの経費削減の努力不足。JICAはガバナンスの抜本的改革が必要。隊員の社会復帰支援は大幅に削減すべき。

■ボランティアは派遣と現地ニーズのミスマッチ改善のために根本的見直し。国内積立金は、水準をさらに引き下げるとともに、名称を変更すべき。募集説明会の経費や会場の見直し。JOCAの関与は下げるべき。訓練は、語学以外は縮小。

■重点化及び規模縮小。基本としては、昭和40年から続いている「協力隊」方式を一旦リセットすべき。その上で、「現在の日本」がどのような国・地域に、どのような方法で、どのような人的支援をすべきか、新しい仕組みとして再構築する必要がある。民間ベースの人的、経済的交流も一般化しており、
目的及び対象地域の特化・重点化が必要。シニアボランティアは、積立金は原則不要。青年分は、半額以下とし、現地生活費のアップに充当。

■ミスマッチを是正すべき。改善スピードが遅々としている。明確な期限を区切って指摘された改善を具体的に報告されたい。ニーズの把握がどのようにされているのか不明。

■ニーズのマッチングを厳密に行い、中央政府や地方政府の行政部門への派遣とするなど、専門家に限って派遣すべき。協力隊経験者をJICAや外務省で登用するなど、国際協力を担う人材活用を考えるべき。

★★★★★

人それぞれ色んな考え方があると思います。
すごくいい意見だなと思うものもあれば、違う、と思うものも結構あります。

●ちなみに私の賛成意見
①JOCAとの不明瞭な関与を明らかにする
②JICA及び外務省のガバナンス機能の徹底
③ニーズのマッチングを厳密に行う

①JOCAに関しては、当然の義務だと思います。
②JICA及び外務省のガバナンス、これも当然の義務だと思います。協力隊事業というより、ここでむしろお金を浪費しているのではないでしょうか。
③ニーズのマッチングに関しては、今の段階でも他国と比べ、とても厳密な調査を行っていると思います(アメリカの場合、ニーズに合わなくて、最初の3ヶ月で3分の1くらいが帰国するらしい)。更なる飛躍を期待します。
また、ニーズを把握するということに関して、先進国的な考えで発言しているような気がします。
3ヶ月でCEOが引継ぎもなく何回も変わったり、全部納得できるけどなんとなく駄目だ、とか言ったりするのが発展途上国です。正式に契約した後に赴任して、誰だ?とかよくある事だと思います。
理屈で動いてないから発展途上なわけで、その辺は評価者ももっと現場を知るべきだと思います。


●反対意見
①隊員の社会復帰支援は大幅に削減すべき
②国内積立金の水準引き下げ
③量より質を重視
④専門家に限って派遣すべき

①、②ただでさえサポートがほとんどなく帰国後の進路の難しい日本の協力隊なのに、さらにこういうことをされたら社会還元どころか路頭に迷うか国外に出てしまうだけだと思います。
アメリカやヨーロッパの国々のボランティアは帰国後きちんとしたサポートを受け、国際協力の活動を好意的に評価されます。日本と逆ですね。
アメリカ、韓国などはボランティアの数を最近また増やしています。これも日本と逆ですね。
他国と比べるわけではないですが、日本は合理的とか効果的とかばかり考えて感情的なことをちっとも考えてない気がします。そんなに論理的な人ばかりではないと思います。
③、④難しい問題だと思います。質を重視しすぎると、志ある若者の扉を閉ざしてしまうような気がします。また、どの程度、何をもって質が高いというのかわかりませんが、帰国後サポートさえも取っ払おうとしている協力隊にそもそもそんなに集まらないのでは?純粋な国際貢献に対する意欲はとても大切な事だと考えます。技術だけではなく、若いエネルギーも十分に評価されるべき質だと思います。
技術的なことだけを質というのならば、質に関してはJICA専門家という制度がすでにあるのでそちらに磨きをかけたほうがよいのでは?
専門官さんたちは結構な給料をもらって(年収1,000万円前後らしい)来ています。


長々と協力隊事業について書いてしまいました。
あくまで私の意見ですので攻撃しないでくださいね。

日本が湾岸戦争とか、その他いろいろ、お金を出すだけで何もしないと非難される理由が少しだけ見えました。

実質的に貢献しているのは間違いないですが、もう少し人間の感情を合理的に判断できればもっと評価されるようになると思います。



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2 コメント:

匿名 さんのコメント...

③、④は同意見だねぇ。
今でも技術がある協力隊はたくさんいるけど
今の募集している形だとその個人の技術と配属先のニーズが合致しない。
配属先が本当に欲しがってる人材がJICAがわからないまま
派遣してしまっているのがダメなんじゃないのかなぁ。
まぁ、しっかりした形になると俺は来れなかっただろうけどww

ダグラス さんのコメント...

>匿名さん
ボランティア、技術協力ってなかなか答えが見えませんよね。
途上国自体が甘えてボランティアに慣れてしまっている、一種の依存状態も発展しない理由のひとつだと思います。
私の配属先も、よく働く無料の職員、使いづらくなったら替えればよい、みたいな感じを受ける事がたまにあります。
確かにシステムの限界が来ているのかもしれないですね。

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